4章 テンカラ釣りができる時期と場所と規則


4章 テンカラ釣りができる時期と場所と規則 もくじ



1.遊漁券を購入する

渓流釣りを行うためには釣り券といわれる遊漁券を購入しなければならない。1日限り有効の日釣り券と、年間有効の年券がある。はじめのうちは全国各地いろいろな川へ釣り旅してみたくなるので日釣り券がよいと思う。ここぞと思い惚れ込んだ川があれば年券を買う方がお得になる。例えば東京奥多摩漁協は¥2000/日、¥6000/年という金額である。

釣り券は地元のコンビニや釣具屋で購入できる。関東ではよく街道わきの売店などに「遊漁券取扱所」と幟がでているので気にして道を走っていれば見つかるはずだ。

漁協の管理の及ばない源流域での釣りに釣り券は必要ないという考えがあるがそのことでトラブルになるのは避けたい。漁協と釣り人との間では昔からさまざまな意見が交わされている。渓流釣りが100年先の未来にも皆が心から愉しめるものとして存在することを願えば、釣り券の存在も快く受け入れられるのではないだろうか。釣りへの恩返しのような気持ちである。

2.テンカラ釣りができる時期

渓流魚を対象とした渓流釣りには禁漁期間というものがある。これは生態系保護を目的としイワナ、ヤマメ等の産卵期にあたる期間を禁漁期間と定め漁法を問わず一切の魚の捕獲を禁止するものである。違反すると時には条例違反として警察沙汰になる場合もある。

河川よって禁漁期間に違いはあるが概ね10月から2月(一部地域を除き)が自然渓流の禁漁期間になる。東京の多摩川水系を例に挙げると10月1日から2月末日までイワナ、ヤマメ、が禁漁期間。ニジマスも同様であるが、一部区間では期間延長し12月31日まで釣ることが可能だ。

その他、全国各地には釣り人のために解放された特別区間や管理釣り場があり、そういったところでは一年中テンカラ釣りを愉しむことが出来る。

ではテンカラ釣りの最盛期はいつなのか。テンカラは「藤の花が咲く頃」といわれるように各地方で早い遅いはあるが、概ね4月から5月の連休以降が釣りやすい時期になる。あまり雪の降らない太平洋側の暖かい地域では桜の花が咲く頃から釣果が上がる。

3.テンカラ釣りができる場所

初心者にとって最もわからないことの一つがどこへ行けば良いのかということ。管理釣り場へ行けば入場料を支払って遊べるのはわかるのだが、自然渓流で天然物を釣りたいといった場合にはどうすれば良いのかという疑問に突き当たる。

これは釣具屋で聞くか本やネットで調べるしかない。各社から出版されている渓流釣り場ガイドなどを1冊買えば河川名はもちろんのこと入渓地点の地図やポイントが写真付きで掲載されているので参考になる。

その他にも、自分の住んでる地域をホームにしている渓流ブロガーさんを見つけて、その人が釣果を上げている川へ行けば魚がいることは保証されるので安心だ。

禁漁区や体長制限などの細かな注意事項は釣り券の裏に書かれているので一通り目を通せば大丈夫だ。上達してくれば自分だけのポイントを見つける楽しみも加わり冒険心も掻き立てられる。

4.その他の気をつけたい規則

どこの河川にも何箇所かは禁漁区が設けられているので注意する。禁漁区は魚の保護を目的としている場合と、安全面への配慮から設定されている場合もある。釣り券裏の注意書きに記載されているので一通り目を通せばわかる。禁漁区間での釣りは、たとえリリース前提であっても禁止である。

釣った魚の捕獲に際しても体長制限や尾数制限が定められている。「小さい魚は返そう。根こそぎ釣るのはやめよう。」ということである。

更にキャッチアンドリリース専用区間ではバーブレスフックの使用が規則になっていることもあるので注意したい。バーブレスフックとはカエシの無い鉤のことであり、カエシ付きのバーブドフックに比べると鉤が抜けやすく魚へ与えるダメージが少ないことから、リリース後の生存率がぐっと上がるといわれている。

たとえ通常の自由区間であってもリリース前提のゲームフィッシングを愉しむことにおいてはバーブレスフックの使用が好ましいということに異論は無い。